チャパリータです。
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kazan












コチラは91年発売のカザン(タマス)です。
コンセプト良し、デザイン良し、名前良し、価格良し、四拍子揃った私の大好きなビンテージラケットの一つです。
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板厚は驚愕の8mm超え。
最近ではこの手のラケットは姿を見なくなりました。


時代はスピン全盛。男子に限ってはトップ層でスマッシュを打つ選手も今ではほとんど見かけません。
※ロビングやチャンスボールを強打するのとは異なります。


減少の理由として、その事が関係しているのかしていないのかは定かではありませんが、私は今でも、こういったラケットの存在を大事にして欲しいと願っているのです。


現在では、カーボンが入ってせいぜい7mmに届くか届かないかくらいのラケットが辛うじて残っているくらいでしょうか?


カザンを使うとしたら、非常に軟らかい硬度のドイツテンションを両面に貼って、前陣に張り付いてのブロック、カウンター、スマッシュといったプレーがやはりベストマッチ。


でも、実は色んなラバーと相性が良い事を知ってもらいたいのです。


個人的には各性能の上限が高い、硬くて強いタイプのスピン系テンションにも適していると感じています。エボリューションMX-PやMX-S、ラザンターR50(UMテンション)にアウラスプライム等々。
硬度の高いラバーは回転性能が良い分、影響も強く受けます。
その為、扱いが難しい一面があるのですが、カザンはこれらのラバーとも相性が良いのです。


『硬いラバー+ぶっ飛びラケット』


コレだけ聞くと到底扱えたもんじゃないと感じる人もいる事でしょう。しかし、この組み合わせはラケットの反発から成る球離れの速さで、ラバーの回転影響を緩和できるのです。そのラケットがただ硬いだけでは駄目ですが、カザンは木材特有の軟らかさを残しています。そして8mmを超える板厚のおかげで、当てただけもある程度は前に飛んでくれます。


つまり、回転性能の高い薄いラケットよりも、ある意味で安定性は高いのです。


では、粘着はどうか?
実は粘着にもイケるんです。


基本的に回転の面においては硬いスピン系テンションと同じで、反発に関しては、粘着の反発の弱さをラケットの板厚がカバーしてくれるので、こちらも安定感が得られます。しかも、粘着に関してはラバーその物の個性も強いため、カザンのような厚ラケであっても、一定の球持ちが得られ、ドライブ系の技術も死んでいません。


言わずもがな、表ソフトも最高です。
ただ一点、粒高だけは合わないでしょう。


デメリットとしては、当然ですが回転性能の上限がやや低い事。
しかし、卓球は入れてなんぼの競技です。特に回転に対する意識の高い時代ですので、回転を無視できる用具の方が現代では安定性があるとも言えます。


このカザンのようなラケットがまた発売してくれないものかと、日頃からよく感じています。


まぁ、デザインとネーミングも相まって、このラケットに迫れる製品は中々無いと思いますが…。



以上!!