【-第32回-日ペンを復活させたい(後編)】


チャパリータだよ。


 今回はなんと、前回の続きです。日ペンの素晴らしさを説いた後で、「日ペン復活計画」をチョロっと紹介します。


 えー、つまるところ、私の開発日記です。例によって販売前提の企画でもなく、今後の予定もありません。私の日常だと思って読んでいただければと思います。


 ことの始まりは、OSPのロバートから連絡をいただいたのがキッカケでした。


「OSPで日本式ペンホルダーを作ろうと考えているのだけど、どうかな?」


 この問いに対し、当初、私は辛辣にこう切り捨ててしまった。


「日本式ペンホルダーの真髄はヒノキ単板にあるから、良質なヒノキ材が手に入らないなら止めた方がよい」


“understood”


 ロバートの短い返答。彼が非常にガッカリしている様子は見て取れるようだった。しかし、純粋にヒノキ単板の代わりになる物が作れるのであれば、それは凄いことであると改めて感じた私。そして、それが実現できるのは私が知る限りOSPをおいて他になしという判断に至り、ロバートと共にヒノキ単板の代わりになるラケットの製作に着手。


 私と単は過去に単板を自作しようと試みた経緯があり、理想の形状や板厚、重量等といった青写真もある。そのすべてを差し出した上で検討が始まった。具体的なスペックは『板厚は9~9.2mm、重量が95g±3g』。そして私の考えとして、絶対に引けない条件が以下の2点。


 1.合板にするなら、ヒノキは使用しない。
 2.ヒノキでないなら、単板にしない。



 ヒノキを用いた“至上の日ペン”とは、言わずもがなの「単板仕様」。再現といえど合板にヒノキを使えば、すなわち“ヒノキ単板の廉価版”だとみずから宣言しているようなもの。かといってヒノキ以外の木材で単板を制作したところで、それはすべて“ヒノキ単板の代替品”という印象を拭えないだろう。


 結論として、「ヒノキ以外の木材を用いた合板」での制作となる。ヒノキ単板に迫る、いや超える物を目指すのであれば、ヒノキも単板も用いるべきではない、というのが私の考えなのだ。


 事実、過去に性能面や打球感に関してヒノキ単板の代替になりうるラケットは私の知る限り存在していない。それらしい製品はいくつか見てきたが、やはり上板にはヒノキを使用している。私にすればヒノキを使用した時点で、すでに“白旗”である。


 しかし、この考えをもとに素材を検討していくと、いかにヒノキが単板に適した木材であるかという事実を突き付けられる。一般的に、卓球のラケットに用いる木材の中でヒノキは比重が比較的軽い。これが9mmという板厚を稼ぐ上で一役買っている。これが他の木材で同じように作ると、どうしても重くなってしまう。しかし、ヒノキより比重の軽い木材の中に、ヒノキに匹敵する密度を持った木材は見つからない…。


 ヒノキは日本古来の木材であり、数々の歴史的建造物の柱に梁に用いられてきた。もちろん一般家屋も同様、我々日本人にとって馴染み深い。「日本式」と呼ばれるラケットの木材がヒノキであることは、日本人である私たちにとって、これ以上ない必然性を感じさせるものである。


 具体的な素材や合板の設計に関するアイディアとは? ココではヒミツ。いつの日か、皆さんにお伝えできる日が来ればと秘かに想う私でした。


注:日本式ペンホルダーの発売等に関しては、何ひとつ決定事項はございません。あくまでチャパリータの日常における雑記としてとらえてください。
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ロバートに送った荷物。自分と単が設計した形状の板と日本の単板。私がペンホルダー時代に使用していたラケットと、秘蔵の選手用ラケット等々…。