【-第41回-より良い世界にしたいから、根深い闇に切り込むよ。-後編-】

 チャパリータです。前号に引き続き後半です。


禁忌の質問その2
「このラバーに合うもう片面のラバーは?」

 謎です。謎過ぎます。なぞなぞです。ナゾナゾ? いやどうもなぞなぞではないみたいなんです。謎です。そして闇です。


 正直、ユーザーである皆さまからこの手の質問をいただくことに危機感しかありません。これがライトユーザーであれば、どうしたって用具に無知な部分があるのは当然のことと理解しています。しかし、この質問は「分からない(理解できていない)」の方向性がまるで違うのです。


 例えばですよ、 街中を歩いていて見ず知らずの男性からいきなり「僕にはどんな女性がお似合いだと思いますか?」と問われたとしたら。私なら肌で感じる恐怖を堪えつつ「し、知らんがな…」と答えるでしょう。程度の差はあれど、皆さんもきっとそうでしょう。想像できたところで、もう一度。


「このラバーに合う、もう片面のラバーは?」


 この質問の“破壊力”がご理解いただけたのではないでしょうか。到底答えられないという意味で、“お似合いの彼女は?”と同じ次元の悩ましさ、そして闇。しかし、奥の深いスポーツ=「卓球」という二文字の下駄を履かせ、何やら論理的な“正解”が存在するかのようなイメージを高めた結果、あたかもまっとうな質問として市場でまかり通っているのです。


 前回の“相性”のクダリでもお伝えしましたが、合う・合わないは個人次第。そもそも、そこまで右も左も分からない状態であるのなら、すでに決めている片面のラバーはどのようにして選んだの? って話。それなりの理由があって選んだんですよね? 性能? 名前? 果ては「価格」すら正当な理由になるわけです。



 つまり、そのチョイスと同じようにまず自身で選んでみたら良いのです。「バックはあまり得意では無いから、扱いやすいヤツかな…」「フォアに選んだラバーは重いから、軽めのラバーが良いかな?」それくらい簡単でもいい。とにかく、自分で考えるってのが一番大事。話はそれから。


 最終的に合っているか否かの判断は自身だけができること。そして結論を下せるのは、目指すプレースタイルや現在の技術レベル等をある程度理解し、それに必要な用具の性能が分かっている者のみ。ユーザー様がその状態にあって、はじめて真価を発揮するのが有識者であるショップ店員の存在なのです。


 「このラバーに合うもう片面のラバーは?」この質問がヤバいのは当然として、さらに直接的にいうと、この質問を口にすること自体が激ヤバです。「相性は?」も含め、これらの質問は決して口にしてはいけません。「なんでダメなの?」と、答えの出ない人は、ひとまずトコトン考えてみてください。考えて考えて、それが理解できたとき、あなたは卓人として格段にレベルアップしているはずです。


禁忌の質問(一言)その3
「(ラバー貼りを待ちながら)テキトーで良いですよ」

 適当という言葉の本当の意味は「適切に当てはめる」だから、という話はココではいったん置いておくとして、実もこれは禁忌の質問…、ならぬ禁断の一言。他の質問と同様、お客様に悪気がないのは重々承知しています。いやむしろ気遣いすら感じられるから余計に厄介なのだ…。


 その仕事を職業にしている以上、れっきとしたプロフェッショナルです。我々にとっては“テキトー”という注文が最も難しいんです。どうやって良いかまるで分らない。なんなら、“テキトー”の中身を理解しているお客様自身に貼ってもらいたい。むしろ「ミスは絶対に許さないから、めちゃくちゃ丁寧にやってくれ」そう言われる方が遥かに気が楽。それが当たり前なんですから。


 極論かもしれませんが、タクシーに乗って「赤信号とか気にしないで、テキトーに行っちゃってください」とは言わんでしょ。そんなこんなで、“テキトー”はマジのマジで難しいんでお止めいただけると助かります…。百歩譲って“テキトー”の詳細を詳しくご説明できるのであれば、何とか…。


 以上、店頭からお伝えしました!