【-第52回-卓球って楽?】


 チャパリータです。ここだけの話、こんなしょーもないコラムですら、毎号執筆で頭を抱えてます。それでも、連載する事の意義というものを実感している今日この頃です。作家も漫画家も、きっとストックが切れてからが勝負なところあると思います。締め切りに追われ、窮地に立たされてこそ発揮される力。まだコンタクトしていない脳髄の奥の奥から紡ぎ、絞り出される言葉や言い回し。それこそが作家性というものなのではないのかと。そんでもって、ワタシ気付いたんです。そんなときのために当コラムのタイトルを「ためにならない」としておいたのだと。そんじゃ気負わず参りましょうか。


 今回は卓球経験者vs未経験者においてたびたび勃発する議論にして永遠のテーマ『卓球って楽?』を取り上げ、私なりに今宵、終止符を打ちたいと思います。


 そもそもこの論争が起きる前提として、一般的な卓球のイメージからなる未経験者の「誤った目測」と、経験者が抱く卓球の奥深さと難しさゆえの、「過度に肥大したPRIDE」、双方の摩擦が原因と推測します。ぶっちゃけコレこそが、すでに一つの結論でもあります。


 次に、「実際に楽なの?それとも大変なの?」の議題についてですが、これは完全に不毛な議論です。不毛過ぎて逆に草生えちゃいます。楽なのか大変なのかなんて、取り組み方次第ですよね? すべての競技でプロとして生きる人の中に楽だと感じている人はいないだろうし、趣味で楽しんでる人の中に大変…なんて感じてる人は少ないはずです。つまり、卓球だろうがサッカーだろうが格闘技だろうが、楽な現場は楽だし、大変な現場は大変なんです。


 以上を踏まえた上での私なりの見解をお伝えします。つまり、取り組み方の違いや現場の環境は置いといて、純粋に競技性を見ての私の判断、それは…「卓球ってめっちゃ楽!!」って結論です。だって、ボディコンタクトがないし、長距離の移動もない、他の競技に比べれば筋力だって必要ない(優先度が低い)。未経験者に“卓球ってスポーツなの?”とか言われて躍起になる経験者たちよ、いったん落ち着こう! 卓球めっちゃ楽だから!!! この状況すっごい不利だから!!


 とはいえ私自身経験者であり業界人の一端でもある以上、これで終わるつもりはございません。それは、「楽である」と論じた後で次の一手、「ゆえに大変である」という結論です。少々雑な論地ではありますが、楽である≒フィジカルのアドバンテージが生じにくいという関係が成り立つと思います。実際、中学生が全日本を制したり世界選手権で入賞を果たす競技はそうそうありません(審美性を競う種目は別ね)。こと草卓球界に至っては60・70代のプレーヤーが大学生を簡単にいなす場面など日常茶飯事。こんなマンガみたいな展開、ますます他競技じゃ絶対あり得ない。そこでまた刺さってくる“スポーツなの?”という一言。いやはや堂々巡りですね。


 ラクなコト、これすなわち卓球の素晴らしさの根幹でもあります。老若男女が分け隔てなくプレーできる稀有なスポーツの第一条件。つまり、未経験者からは“楽そう”と思われて然り。経験者であるならば、そこだけは履き違えてはなりません。ラク(フィジカルが最優先では無い)だからこそ、比較的平等に競技者全員にチャンスがある。また、スピード、回転、時間を意図的に操作する上での選択肢となる数多くの用具が多く用意されているのも特徴です。むしろ、単に強くなりたいのなら、ラクじゃないスポーツの方がラクじゃない??汗


 最終結論:「卓球ってめっちゃ楽だよ。だから他の競技より難しいし大変だよ」以上!!