【-第55回-果て無きボウケンスピリッツ】



 こんばんは。チャパリータです。早い。いや本当に早い。早すぎて常に驚いてます。ん? なにがって? そりゃあ時が経つのがですよ。気がつけばもう10月。今年もあと2ヵ月とちょっと。知らぬ間に始まった人生が知らぬ間に終わっていきます。まぁこんなもんでしょう。


 今回は久々にちょっと真面目な内容でお届けしようかと思います。ここだけの話、実はこれでも毎回真面目にやらせてもらってるつもりではあるのですが、あまり皆さんの欲しい内容とはマッチしておらんようで…。今宵は私のアイデンティティとも言えるラバー貼りの分野からお話させていただきます。


 これだけは誰にも負けないってものが一つでもあればそれは凄いことだと思います。私の場合のソレは、どうしたってラバー貼りになるでしょう。この部分に関しての謙遜はもうしないことにしました。ハッキリ言って自分以上にラバーを上手に貼る人の実在を想像できません。たとえいたとしても同格どまり、それ以上は本当に想像できない。ちなみにソレを自覚する瞬間とは? 実はいつも通りお客さんのラバーを綺麗に貼り付け終えたときではありません。「技術の更新を模索する瞬間」に感じるのです。


 自分の代名詞でもあるのが、カッターを用いたカッティング。これ、見た目以上に難しいんです。でもその仕上がりは息をのみます。ハサミの限界値を越えた世界へ踏み込む快感。しかし、そんなカッターが苦手とするラバーがあります。それが粒高のOX、0.5~0.9mmといった厚さのもの。ただし表や粒高でもスポンジが厚かったり、OXでも布引きされていたりするものなどはカッターで切れる場合もあります。


 厄介なのはその切り難さの他に、『粒』の存在があります。裏ソフトは表面がつるっと面一なのに対し、粒高や表はラケットのエッジによって粒のあり・なしが混在するのが難点です。この問題を解決した粒高のカッティング方法を今回は紹介いたします。


 使用するのはカッターではなくハサミ。①まずは外周を「粒一個分大きく」切ります。②ラケットエッジにかかる粒を模型用や手芸用のハサミで丁寧にカットします。③1周分すべてカットしたら下準備OKです。④エッジにかかる粒を全て取り除き、面一になった部分をハサミで丁寧に切ります。⑤SUCCESS!!


 って感じです。工程が増える分だけ時間はかかりますが、丁寧に作業を進めれば結構誰でも綺麗に仕上げられます。そこまで神経質になる必要ある? などとたまに言われますが、裏ならともかく粒は大アリです。剥がれやすいですからね。極力綺麗にカットし、それをガードするようにサイドテープを貼れば、寿命が来るまでこの状態を保てるんです。個人的にこういった丁寧な作業は人事を尽くして云々の一環と捉えてます。
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やらないよりはやった方が良い。必要ない人にそれを施しても何も言われないけど、それが必要と感じてる人のラバー貼りをテキトーにやったらダメ。だから丁寧で通してます。