【-第57回-2019年振り返り】


 チャパリータです。驚くことにもう年末です。今回は2019年を振り返り総括し、さらなる展望を語ります。しかしまぁ毎年毎年、年の瀬に感じさせられるのが「また怠惰な1年を過ごしてしまったなぁ」という自責の念。齢を重ねるごとに時間の経過が早まっている気がいたします。自責の念も省みる暇なく右から左に流れ去っていくようで、困ったものですね。


 実際のところ、自嘲するほど怠惰というわけでもないんですけど、なんというか変化や成長を怠ったとでも言いましょうか、とにかくそんな感じです。現代社会って人の考えや行動、趣味趣向や流行り廃り、その他社会の常識やルールそのものが目まぐるしく変動しています。自分の様なバカでもそれだけは分かります。それゆえ常に世の中から「変化」を強要されている感があり、四六時中怯えてるんです。器用に考えや生き方を変えられない我が身を知っているので。それと同時に、こうも想います。「変わらない毎日を丁寧に過ごすことを愚とする世の中って、地獄なんじゃないか?」と。


 さてさて、2019年の私は相も変わらず高田馬場店に勤務しつつ、月末月初にはTAKZiNEの入稿作業に追われる日々を過ごしておりましたが、合間合間で新規の製品開発も進めていました。元を辿れば自分も用具畑の出身でここまで来ました。なので、なんやかんやラケットラバーが好きなんですよね。製品開発の最終的なゴールとは端的に「利益を生む」ことなのでしょうが、こと自分に関しては正直『モチベーションの維持』という意味合いが強いです。理想の用具をプロダクトする道程は皆さんが考えている以上に果てしない(こだわりも妥協すらも自由)工程の数々に満ちているのですが、製品として形になった姿を見たときの感動はそりゃあヒトシオです。さらにはそれを購入し、使ってくれる人の喜び、充実に立ち会える。やり甲斐とはこのことか!と実感します。


 昨年末にOSPとのコラボで作り上げた『TinyDancer』の存在は自分にとってあまりに大きく、それゆえ完成した初期ロット70本を自らの手で箱詰めし終えたその瞬間、「プツり」と何かが途切れる感覚が明確にありました。以降、ちょっとした燃え尽き症候群の様相を呈し灰になっていたのですが、ありがたいことに幾つかのオファーをいただき、引き続き商品開発に携わっております。


 昨年のTinyDancerはもちろんのこと、今年の案件も実にエキサイティングなものです。何がって、これまでにないクリエイティブな物ばかりなんです。新しいラケットとラバーの開発と一口に申しましても、市場のラケットとラバーは既成の生産工場・製造技術によって生み出されるものが99%、それも歴史の蓄積による熟成を極めたものが大半です。しかしいま、私は残りの1%に属するであろう“本当にあたらしいもの”を生み出せるチャンスとリスクを併せ持つプロジェクトに取り組んでいます。残念ながらまだ語れるのはこの程度なのですが、これまでにない新しい価値を持つ魅力的な製品として世に送り出したいと意気込んでおります。
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画像は同時進行で開発中のプロト。来年の目標はこれらの製品化とメディア拡散、あとウェアをもっとリリースしたいなぁと。最後に私事になりますが、本年11月に結婚したことをこの場をお借りしてご報告します。今後共、皆様の厳しく温かいご指導ご鞭撻の程、何卒宜しくお願い申し上げる次第です。