【-第59回-良い用具とは!?】
どうもこんばんは。チャパリータです。年が明けて早くも2月に突入です。「2月は逃げる」なんてよく言いますが、私としては1月だって逃げる印象です。否、1年があっという間です。志を持って1日1日を無駄のないように過ごしていきたい今日この頃です。
今宵のテーマは『良い用具(製品)とは!?』です。毎度ざっくりしたテーマではありますが、まぁお付き合いください。
前置きしますが、用具である以上、製品の特性と使う側のマッチングがあります。良い悪いの判断は人それぞれということを念頭にお付き合いください。ここで私がお話したいのは「プロダクトとしての価値」について。そして、今回お話する内容に関してはほぼほぼ私の主観であることもお忘れなく。
まず最初に「優れたデザイン」。否、デザインが存在する事。コレに尽きます。人並み外れて膨大な年代のラケットを直に触れてきた私にとって、最終的にどこでラケットを選ぶかと言われたらぶっちゃけデザインです。他のすべてが優れていてもデザインが惹かれないラケットは絶対に選びません。純粋なプレーヤーでないゆえに許された酔狂でしょう。もちろん、デザインにも人それぞれ好みがあります。しかし現代の卓球市場を見る限り、総じて満足できるレベルにありません。そもそも“そもそもデザインが存在していない”ものがほとんどです。これは好き嫌いの話ではありません。現代の卓球市場にデザインという概念は皆無。もはや「哲学」「主義」の喪失ともいうべき深刻な事態です…。
次に、「明確なコンセプト」。初心者向け、トップ選手用、ディフェンシブなど、製品個々に絶対存在すべきもの、それがコンセプトです。コンセプトのない製品なんてあるの? って、ありますとも、存分に。カタログを一瞥して判別できるようになったらあなたも一人前です。コンセプトの存在しない製品が平然と世に出回ってしまう原因とは? 私が考えるに、評価を得て受け入れられている既存品よりも、“新製品”という3文字の持つ訴求力の強さでしょう。ゆえにメーカーは特段出したくもない新製品を無理やりにでも供給し続けなければならない。それも毎年。新製品である以前に製品ですらないものに心を奪われてはいけません。
最後に「価格」です。高い安いではなく、その製品に見合った価格設定が重要です。ユーザーの思いとは無関係にメーカー側の諸事情・思惑のもとで決定するものですが、買う側からすれば“価値”を決める大事な要素です。しかし、価格(価値)を正確に判断できている人って実はかなり少ないと感じています。要は“安い物は良くない、高い物は良い”と捉える考え方です。いわゆる「プレミアム」に踊らされる人。そういった方は、真逆の値段が付けられていればそっくりそのまま価値が入れ替わることでしょう。まぁ小売りというものがそもそもそういう世界なんですが。
その他、「作り手の想い」あたりにも言及したいのですが、対象がマスプロダクトである以上、工場のライン製造は避けれません。もちろんライン製造であっても明確なコンセプトがあり、デザイン性に優れ、それらに見合う価格設定がなされていれば、立派な「優れた製品」です。
限られたスペースで話させていただきましたが、最終的に良いか悪いかを判断するのは個人様の勝手なのですが…。卓球界には上記の如く“製品未満”のできそこないが多く存在することを知り、それらを選ばない目を養ってほしいのです。半端なものでも売れてしまう環境ではメーカーは学習しません。良い製品が生まれ、正しい価格で買う。そのサイクルは消費者の正しい目利きがあってこそ、です。消費者が盲目な中では良い用具(製品)という物は生れにくい(生存し難い)のです。